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2026/04/13 08:50

「トマトを始めたのは、今から40年以上前かな。」
そう言って祖父は、少し懐かしそうに笑いました。
「あの頃は、トマトを育てるためのハウスも、自分たちの手で一から組み立てたんだよ。」
何もない畑に、一本一本鉄骨を立て、ビニールを張り、小さなハウスをつくるところから始まった、私たちのトマトづくり。
最初に育てていたのは中玉トマト。
やがて小さなミニトマトの苗と出会い、「もっとたくさんの人に喜んでもらえるトマトを届けたい」と、新しい挑戦が始まりました。
夏の太陽が容赦なく照りつけるお盆の日も。
風が唸りをあげ、ハウスの屋根が飛ばされてしまった日も。
収穫したトマトでいっぱいになったバケツを抱え、50メートルも続くハウスを何度も何度も往復しました。
畑のすぐそばを流れる馬淵川は、ときに恵みを与え、ときに試練も運んできます。
大雨で川が増水し、丹精込めて育てたトマトが水に浸かってしまったことも、一度ではありませんでした。
それでも諦めることなく、また翌朝には畑へ向かう。
その積み重ねが、今日のトマトを育ててきたのです。
時が流れ、祖父・沼畑俊一の想いを受け継ぐように、長男の沼畑俊吉が故郷へ戻りました。
父が大切に守ってきた畑で、新しい物語を始めよう。
そうして出会ったのが、かわいらしいハートの形をしたトマトベリーでした。
ひと粒ひと粒がハート型。
青臭さが少なく、果肉は甘くやさしい味わい。
種のまわりのジュレも少ないため、小さなお子さまでも食べやすく、お弁当を開けた瞬間に笑顔がこぼれるようなミニトマトです。
「うちの子がトマトを食べてくれました。」
そんな嬉しい声が、私たちの宝物になりました。
もちろん、歩みはそこで終わりません。
シンディースイート。
サンマルツァーノ。
フラガール。
色とりどりのカラフルトマト。
数え切れないほどの品種を育て、その一粒一粒と向き合いながら、「本当に届けたい味」を探し続けてきました。
その中で、長い年月をかけて今も大切に育て続けているのが、トマトベリーです。
私たちにとって、家族のような存在になりました。
そして2021年。
もう一歩、おいしさの先へ進むため、すべてのハウスを新しく生まれ変わらせました。
念願だったシステム栽培を導入し、トマトが毎日いちばん元気に育てる環境を整えたのです。
その新しいハウスで出会ったのが、シュガープラム。
まるで果物のように濃厚な甘さを持ち、皮はやわらかく、一粒、また一粒と手が止まらなくなるミニトマトです。
「トマトというより、おやつみたい。」
そんな驚きの声とともに、多くのお客様に愛され、今ではリピーターの絶えない人気者になりました。
40年以上前、一つのハウスを建てた日から始まった物語。
雨の日も、風の日も、暑い夏も、幾度もの困難を乗り越えながら、その想いは親から子へ、そして未来へと受け継がれています。
一粒のミニトマトには、家族がつないできた時間があります。
一口の「おいしい」には、40年以上積み重ねてきた挑戦があります。
これからも私たちは、誰かの笑顔を思い浮かべながら、トマトと向き合い続けます。
感動するほどのおいしさを目指して。
この物語は、まだまだ続いていきます。